2013年6月22日土曜日

若冲展を観て来ました


 盛岡で若冲展を観た、何処の県にもある様式の凄い美術館で見やすいし予想通りで観客が少なかった。
これ程のコレクションが良く出来た、日本人が見向きもせず眠っていた絵画を発掘した見識は凄い。
日本へ仕事で来て観た一枚の墨絵の葡萄を描いた単純な日本画に魅入り若冲と知り他の作品を探したら誰も注目しておらず氏の言葉で極めて安く沢山の名作を買うことが出来たそうだ、自宅に収蔵庫と江戸時代に蝋燭の灯や薄暗い家屋の中で見ていたように鑑賞できる部屋まで設えた。
氏は戦後、仕事で来て若冲を知り1000点余も集めたそうだが如何に人知られずにあったものだ。明治時代の廃仏毀釈前後に米国や欧州にかなりの美術品がでてしまい海外へ行かなければ良い浮世絵や江戸時代の名作絵画が見られない、この時は寺一軒まるごと売りに来たらしく、そのような日本の美術品を日本人が売り払ってしまったと聞いたがそれでも売られずに残っていた名作があったとは。
実際に画を観て見ると墨にしても色彩を使った絵画にしても丁寧に描かれておりユーモアもあり若冲という江戸の画家の技量の凄さに驚かされわざわざ盛岡へ出かけて観た価値は十分にあった。
自分の所蔵絵画を震災被災者が見て若冲が描いた努力と技量と絵の素晴らしさからから勇気を出して欲しいと展覧会を開いてくれた氏は被災者から津波で抹茶色一色になった景色を聞き、勇気を出してもらわなければと気付いてくれた感性に感謝したい。

  みちのくは麦黄ばみおり青田見え  枯沼

3 件のコメント:

三四郎 さんのコメント...

大変満足された様子が分かります。僕には素養というか教養というか、そのようなものが欠落していますので、残念がら「凄さ」は理解できそうにもありませんが…(恥)

ター さんのコメント...

ボクも今日メナード美術館の近代日本画を中心にしたコレクションを見て来ましたが、
横山大観と安田靫彦の富士山の絵を見ながら、「そうだ今日世界文化遺産に決まるのだ」と思い出すのが先で、作品そのものに感動するということがありませんでした。どうやらボクもこちらの方のセンスが欠如しているみたい。(涙)

さんのコメント...

三四郎 様

 そんなことありませんよ、寫眞を撮られて解説されている文章からは隠れ芸術家が
 見え隠れしています。自分が見てきれいだとか凄いと感じればそれで良いのでは。

ター 様

 絵によっては感動を与えられない、貰えないものもありますね。どれでも全て傑作だった り感動を与えるものではないと想います。若冲の感動した絵を特にプライスさんが出展さ れているから凄いやと感じるのだと思いました。