立冬なれど名のみの風の温さ 都の景色靄に隠れぬ。巨大なはがねの骨組天空に聳え行き交う汽船の航跡が霞んだ太陽に鈍く輝き波もない入り江。橋に昇降機で上れば六十米の眼下には釣り人岸壁に並び糸を垂れる、あまりの高さに足元すくみ気分悪し。多摩秩父の連山、安房上総の山々朦朧とし東京空樹はほとんど見えず、風微風にて心地よし歩くほどに初冬の陽光出で汗ばむ。
元台場の石垣に腰掛弁当を使い春の野遊びの如き佇まいなり、わずかに鼻腔に潮の香漂うのどかなひと時まさに初冬一刻値千金、酌み交わす一合の酒もなけれど楽しき集いなり。
もみじするきぎひとつなしうみのその 枯沼
5 件のコメント:
凄いね!なかなかの名文です。( ゚Д゚ノノ☆パチパチパチパチ)
森緑会って、OB会?
いや,まったく,上に同じです。
以前にほんのすこしだけ読んだ
徳富蘆花の「自然と人生」を思い出します。
しかし,この橋のどこにエレベータがあるのかな。
ター 様
褒めすぎですよ、僕の文章の書き方が下手くそなのを十二分ご承知のはず。森緑会は関東地区のOB会で す。若い人は入りません、もう潰れるでしょう。
治 様
蘆花さんの書物を何時読んだか、何を読んだか忘却の彼方です。たまには文体を替えてみようと
云わばおふざけみたいに書いてみた次第。
エレベーターはもう少し陸側の地上との取り付け道路の橋脚の中にありました。
日曜日楽しみにしています、天気が悪いようですね。
ある意味、沼さんらしい文体…かな(爆)
宿の奥の森の中で鳥の声をたくさん聞きましがそれが何という鳥なのかは勿論…``r(^^;)ポリポリ
三四郎 様
文体は別として鳥の方はもったいないお話ですね、何か当地では見られない
珍しい鳥がいたかもしれませんね。
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